2019/10/24

ペトロベトナムガスの業績・株価推移・配当を分析






■ベトナムエネルギー株の覇者:ペトロベトナムガスの業績・株価・配当を分析




こんにちは、ベトナム株、タイ株により不労所得形成・配当生活の実現を「気長に気楽に」目指すうみがめベトナム株調査部です。ツイッターにて更新をお知らせしますので、是非フォローお願いします:

今回はベトナムエネルギー株の覇者、ペトロベトナムガス(PetroVietnam Gas Joint Stock Corporation。ティッカーはGAS)について分析したいと思います。

SBI証券におけるベトナム株保有残高でも上位に食い込む人気株です。

以前別記事で紹介した様に(リンク)、ペトロベトナムガスはペトロベトナムグループの傘下の企業の1社です。




■ペトロベトナムガスの概要・事業環境








会社のスローガンは“PV Gas” – “Powering Your Life”です。ミッションは天然ガスを効率良くかつ安全に調達しベトナムに供給することです。

2025年へのビジョンとしては、ベトナムの天然ガス業界のリーディングプレイヤーを維持する点はもちろん、ASEAN及びアジアの最も強固なガスブランドとなることを目指しています。

Youtubeの公式チャンネルに同社に関するビデオが上がっています。どの様な会社か雰囲気がわかると思います。







ガスに関わる事業を幅広く手がけています。LPG、LNG、CNGといったガス販売に加え、ガスの輸入、調達、流通、といったサービス、さらにパイプ、ガス関連設備の点検・保守、といった設備・保守サービスを提供しています。

Vietstockより

売上の50%以上が未精製ガス(Crude Gas)、40%弱がLPG(液化石油ガス)、残りが輸送等のその他となります。

未精製ガスとLPGのボリューム及び価格が業績のKPIかと思います。


ベトナムの経済の発展や電力事情を考えるとボリュームが増えるのは間違いないですね(ベトナムの電気不足に関する過去記事はこちら)。


またokeydonさんがブログで非常に鋭い考察をされていましたので紹介させてください。外交的な理由でベトナムがアメリカからの天然ガスの輸入を増やすという視点です。


アメリカと中国との激しい貿易摩擦は報道されているとおりで、メキシコも日本もヨーロッパも槍玉にあがっています。将来的に、米越貿易摩擦が起こる可能性が見て取れます。そこで、ベトナム政府は、その可能性を排除すべく、アメリカから天然ガスの輸入を考えると思います。(おけいどんの適温生活と投資日記(セミリタイア、世界高配当株収集家、サンカー)


「ベトナムがアメリカに忖度する」


という切り口の投資アイディアは自分の中になく、有難い気づきでした。他のセクターにも応用できそうな視点ですね。


価格動向は正直よくわからないです。長期業績を見ると15年や16年に業績が調整しているので(ボリュームが増加していたと仮定すると)、資源価格の下落に引きずられた可能性があるかもしれないな、と思いました。

但しこの点は不確かなので割り引いて受け止めてください。


ただ全体感としては、強い業界ポジショニングや、需要環境から良好な事業環境にあるという見方をしてよさそうです。

■ペトロベトナムガスの株価動向・バリュエーション




以下がペトロベトナムガスの株価動向です。18年のピークから20%程度下がった水準にあります。19年の年初来ではしっかり上がっていますね。

Vietstockによると、現株価(101,400)は前期のEPSベースでPER17倍、今期予想は減益のためPER25倍です。PBRは4.1倍です。

グローバルの同業種と比較すると高いバリュエーションですが 、ベトナムでの強固なポジショニングや、強い需要見通しを考えると割高とはいえない印象です。

例えば配当利回りが高くて、安定して配当を得られるのであれば十分投資対象としてありですね。

はっきりいえるのは、日本株のエネルギー系の企業を買うなら、うみがめ株式調査部では間違いなくペトロベトナムガスを買います。



Tradingviewより



■ペトロベトナムガスの配当推移・配当利回り



2013年〜2019年までの配当を見ると以下の点が示唆されます。



・原則現金配当

・業績連動配当:減配もするが、大きく増配もする

・過去は年2回〜5回

次の配当はいつ?過去のパターンに基づくと19年は10-12月にもう一度あるかもしれません、ないかもしれません。



以下が各年の年間の合計の配当と回数です(各年の割り振りは権利落日ベース)


2013年:3000ドン(3回)
2014年:3700ドン(2回)
2015年:3500ドン(3回)
2016年:2500ドン(2回)
2017年:6000ドン(5回)
2018年:4000ドン(2回)
2019年YTD:4300ドン(3回)
Vietstockより


2017年は1月、4月、7月、10月、12月と5回にわたり計6000ドンも配当しています。業績も良好でしたが、業績自体は18年の方が良かったので、背景が気になります。

いずれにせよ、投資家に大きく還元してくれる企業という証左だと思いますので、今後も17年の様に大きく配当してくれる年が出てくるでしょう。

19年の配当額4300ドンで、現株価(101400)に基づく配当利回りは4.2%です。

仮に2013年から保有し続けていたら配当だけで今日の株価の20-30%程度は回収できているので、長期投資家・配当投資家には嬉しいですね。

今後も需要面(ベトナムのガス需要の増大)や競争環境面(国営企業グループ)から業績が大崩れする可能性は低いと思うので、長期投資に適している銘柄である印象です。



■業績動向




✔︎19年7-9月期の業績は前年比で増収減益となりました。売上原価や販管費の増加が、売上の増加を打ち消しました。特に販管費の増加幅が大きく、注意です。





■終わりに:日本のエネルギー株を買うなら・・・



・・・ペトロベトナムガスを買いたいですね。これは日本の金融株を買いそうになるときにも思います。

過去、年に数回か日本のメガバン株を買いそうになるときがありました。

その時はまだベトナム株を開始していませんでしたが、「日本のメガバン買うなら、新興国の金融株を買うかな・・・」と思いとどまっていました。

ペトロベトナムガスも同様に自分は考えております。日本のエネルギー株や商社株を買うなら私は断然こちらを買います。

長期保有すれば配当で元が取れそうですし、業績の成長も期待できる、かつ17年みたいにボーナスみたいな配当も払ってくれる、というところで保有していれば色々美味しい銘柄ですね。

うみがめベトナム株調査部でも要チェックとしたいと思います。



今回は以上です。引き続きうみがめみたいに「気長に気楽」にベトナム株・タイ株による不労所得形成・配当生活の実現を目指していきます。


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