2019/08/28

ベトナムへの期待と失望と現状整理



米中貿易摩擦により



中国の代替としてベトナムに対する期待が高まっている点はご案内の通りですが


一方で、期待が失望


に変わった例もでてきています。




米国から中国への追加関税が発動されて1年以上経ちましたが、



米中貿易摩擦の中のベトナムの現状をあらためて考えてみました。



今思うことは以下の通りです。






①中国の人件費高騰からベトナムへのシフトはもともと起きていた流れだが、米中の貿易摩擦で間違いなく加速している




②但し、ベトナムのサプライチェーンやインフラを含むあらゆる面が不十分であり、直ぐにはシフトできないものが多いという、当たり前の現実がある




③米国はベトナムにも厳しい姿勢を見せており、ベトナムも利ばかりを追い求められない




④米中の摩擦による景気減速が鮮明になれば、ベトナム企業も当然ネガティヴな影響を受ける




⑤但し、次の景気回復局面ではベトナムのポジショニングが大きく向上している可能性が高い







というのが現状かと思います。





①、③、⑤の絡みで考えると、








「世界景気が減速している中でも業績が拡大するベトナム企業・ベトナム株」







というのが投資家としては引きたい究極のカードです。





ベトナム株の中にあると確信しています。






今後の調査で必ずや見つけるつもりです。






■ベトナムの現実






Wall Street Journalからは以下の様な記事が出ています




中国から生産移転、ベトナムで待つ厳しい現実



米中の貿易摩擦が深まるに従い、ベトナムには輝く時が訪れると思われた。

しかし、次第に明らかになってきたのは、同国をはじめ製造業の拠点化を目指す各国が世界の工場として中国に取って代わる準備を整えるのは、もし可能だとしても、何年も先になるということだ。





残りは有料部分なので掲載できませんが、ベトナムで高度な民生品を製造するには、インフラも、サプライチェーンも、人も、何もかもが足りないというのが現状です。



ベトナムの現地企業の中でも




米中摩擦はデメリットの方が大きい



という企業も出てきています。







米中貿易摩擦が激化しようと、




現状のベトナムの実力はすぐには変わりませんからね。






■それでもベトナムは有望だと思っている






でも5年・10年単位で見た際に他国を上回る高い成長を達成できる、




そういうシナリオが、以前より高い確率で、期待できると思っています。



JETROからこんなレポートが出ています。



製造業展示会、自動化や米中貿易摩擦を受けた動きも(ベトナム)



中国からの生産移管の動きが顕在化


中国に拠点を構えているある日本企業は、中国での生産コスト上昇を見据え、ベトナムでのサプライヤー探しのために展示会を訪れた。同社の担当者は「日本語のできる担当者を配置しているベトナム企業も多く出展しており、即日で出展企業の工場訪問も実現できた」と述べた。将来的にはベトナム進出も検討するという。



金型を製造するベトナム企業の担当者は「2、3月ごろから中国企業による問い合わせが増えている」という。また、金属部品を製造するベトナム企業、金属筐体(きょうたい)を製造するベトナム企業の担当者はともに、「米国企業から新たに米国輸出向けの問い合わせがきている」という。出展するベトナム企業へのヒアリングを通じて、米中貿易摩擦を受け、中国企業が生産拠点をベトナムに設立するに当たっての調査をする動き、米国企業が調達先を中国からベトナムに代えようとする動きがみられた。






■株式市場はかしこい




株の観点では米中摩擦はネガティヴ視されています。





米中摩擦・関税の応酬がなくても、ほっとけばベトナムは伸びる国でした。





それが米中摩擦で景気減速リスクを高めたので




リスクアセットである株には逆風で、ベトナム株も例外ではありません。




ベトナム株のインデックスを見ると



株式市場は偉大だなと思います。










トランプが就任してから大幅に上昇しています。当時から中国・中国言ってましたからね。




本当に頭の良い人は17年の時点でベトナム株を買っているわけですね。




一方で、18年3月に米中摩擦が激化して以降、株価は大きく下がっています。





資源価格や新興国通貨安等のファクターもあるのかもしれませんが、





「米中摩擦激化・追加関税の応酬→景気後退





という点をマーケットはより懸念したのでしょう。




私は19年に買っているわけで、



16年〜17年に買ったスマート組ではないです。



でも、米中摩擦が



「押し目買いのチャンスを作ってくれた」




と考えています。



明確な調整があると買いやすいものです。





18年以降もベトナム株が上がり続けていたら、一生ベトナム株を買うことはなかったかもしれません。





幸か不幸か、ベトナム株を買えたわけですが





長い目で見たら幸運であった、と思う日が来ることを信じています。




今回は、以上です。それではうみがめみたいに気長に株を楽しみましょう!



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【ベトナムのマクロに関する分析です】










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