2019/06/29

米中貿易摩擦の真の勝ち組は?19年1-3月の貿易データ

米中貿易摩擦で米国が輸入を増やした国や製品に関して

我らがジェトロの米州課が非常に有用な分析をしています(リンク)。

米国の19年1-3月の対中輸入は大きく減少した一方

ベトナム、メキシコ、韓国、台湾からの輸入が特に伸びたとしています。

 米国の国別輸入額
米国の国別輸入額


ベトナムは前年比で40%とトップの伸びで、需要増加が顕著です。



ちなみに米国の輸入先として中国が占める割合はまだ18%もあり

ベトナムはまだ3%しかありません。

ここの部分は中国からベトナムへのシフトで拡大が期待できそうです。

ベトナムが伸びるのはコンセンサスですが

台湾や韓国が伸びるのも投資機会になるかもしれません。

というのも、中国企業と競争して疲弊していた台湾や韓国企業が息をふきかえす可能性もあるでしょう。

どんな企業が息を吹き返すのか?

ジェトロは別の資料(リンク)で

関税の対象となる製品で

米国の中国からの輸入が減少して

他国からの輸入が増えた製品を整理してます。

携帯電話は当ベトナム株ブログでも取り上げた通り

サムスンスマホのベトナム工場の影響がありそうです。

面白いのはプリント基板実装装置で

台湾が大きく増加しています。

もともと台湾から中国へ移っていたものが台湾へ回帰している可能性がありますね。

台湾のPCBメーカーのユニマイクロンなどは、大型の設備投資を発表しています。

またメモリのNAND(図表では半導体不揮発性記憶装置)はメキシコからの輸入が拡大しています。

これはおそらくアセンブリ等の最期の工程だけメキシコにもっていって

メキシコからの迂回輸出により関税を逃れる動きでしょう。

こういった製品にとっては、メキシコへの関税は重大なインパクトですね。

関税の第4弾が発動されると、影響は多くの製品に広がるため

今後の投資動向について注視していきたいと思います。

今回は、以上です。それでは、うみがめみたいに気長に株を楽しみましょう!


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