その中でベトナム(つまりベトナム株)に注目したい、その中でもまずは基本的なインフラ系の企業に注目して今後調査していきたい、というのがこの記事の趣旨です。
加速する「チャイナ・プラス・ワン」の動き
ホンハイがインドでiPhoneを製造するという報道がでています
同じくiPhoneのEMSメーカーのペガトロンはベトナムへの製造移管が報道されています
中国・台湾のテック企業は米中の貿易摩擦に関して、1-2年で解決する事象とは考えていません。
5-10年という長期間続く摩擦という風に捉えており、上記の様な製造拠点の移転が計画・実行されています。
文面やニュースで聞くと「ああそうなんだ」というスルーしてしまいますが、
新興国で「スマホの様な高付加価値な製品の製造拠点ができる」ということによる経済的なインパクトはとても大きいと考えています。
単純に考えても、
・設備投資が新たな雇用・消費を生みます
・製品の輸送のインフラが整えられます。
・素早く低コストな部品調達のため、サプライヤーが育てられ、関連産業が育ちます
・外資企業の技術導入や研修により現地エンジニアが育成されます
上記にはspill over effect(拡散効果)が働き、経済に対するポジティブインパクトは増幅されます。
簡単な例を考えてみます。
例えばインドでホンハイがスマホ工場を作ることになると、地方政府は税収の増加が見込めます。
→地方政府はその見返りにホンハイが事業をしやすいようにインフラ整備に励み、新しい道路を作るとします
→するとその道路は他の企業も使えるわけなので、地域経済全体の生産向上に寄与します。
→人材育成も重要です。ホンハイが現地の人を教育する必要があります。現地の教育機関とも関係ができるでしょう。
→その社員が他の企業に転職すれば、インド企業の技術水準の向上が見込めます。
よって、米中貿易摩擦は「中国の景気が冷え込み世界経済が減退する」という今後数年のリスクは増大する一方、
ASEAN+インドにおける5-10年後の潜在成長率はプラスではないかと個人的には考えています。
個人的に注目しているのはタイとベトナム
ASEAN+インド諸国は全般的にチャンスがあるわけですが、個人的に注目しているのはタイとベトナムです。
両国は、中国に製造拠点を持っているグローバル企業が移管しやすい地域に思えます。
その理由は色々あるのですが、既にテックの製造拠点が多い、というのが一番の理由です。
・まずはベトナム株からスタートすると思います
ということでベトナムとタイに注目です。個人的にはまずはベトナム株からスタートしたいと思っています。
理由は中国との共通点が多く、目先の製造代替地域として候補になりやすいという理由です。
ただベトナムが有望ではないと思ったらタイにスイッチする可能性は大いにありです。
そこは固執せずコロコロ変えたいと思います。
・まずはベーシックな企業を候補にしています
なぜならベトナムを含む新興国は先端産業・サプライヤーは育っていないからです。
つまり安川みたいな自動化の恩恵を受ける優秀なロボット企業は上場していないと思われます。
なので月並みですが、比較的安心して投資できて、恩恵を受けるセクターの筆頭は不動産・デベロッパーかなと思っています。
次に運輸(陸・空・海)・建設あたりも有望と考えています。
また、国民の所得向上に伴い恩恵を受けるセクター(消費財や国民の生活のインフラに関わる企業)もいいのではないでしょうか。
ちなみにベトナム株はSBI証券において、それなりの手数料の払えば購入できます。
取り扱い銘柄は下記のとおりです。
SBI:ベトナム株式取り扱い銘柄
上記のセクターを中心にリストにある各社の財務状況を見てみましたが、傾向として面白いのが
・運輸/インフラ系はCFや現金水準も優良な企業がわりと多く見つかった
・一方、ベーシックな製造業はレバレッジが高く、FCFも乏しく、倒産リスクも否定できない企業が見つかった
という点です。日本のように、優秀なテックサプライチェーンが育つには長い年月がかかるでしょう。
まずはGDPの成長と連動するような基本的なセクターに投資をするのが良いと思われます。
ブルームバーグでは財務を見てみましたら、一部ではネットキャッシュ>時価総額、のような企業も見つかったりしたので、その内紹介できたらと思います。
ちなみにこれからベトナム株を含むASEAN+インド株式に投資する際は以下の点に要注意です。
・資源価格の影響:運輸を含むベトナム株の中でも資源価格(天然ガス等)の変動を受ける企業には注意し、投資対象からは除外したいと思っています。
・新興国の常として、マクロ景気の後退に対し比較的脆弱である点。グローバルの景気後退では相対アンダーパフォームする可能性も相応に高いです。
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