2018/09/12

投資のヒント:銘柄のスクリーニングの一例

前回書いた、中小型バスケットを抽出したスクリーニングの内容を紹介したいと思います。

ここでは、ブルームバーグを使った手法になりますが、一般の投資家の方はなかなか使えないと思います。

最近は他の情報ソースも増えてきてるので(例えばバフェットコード)、今回の手法のエッセンスを別のサービスでも応用してもらえればと思います。


まずブルームバーグのEQS(equity screening)機能にいきます。

この機能では特定の条件で「ソート」することもできます(例:特定のセクターの銘柄のみを抽出する)。

また特定の項目や指標を表示」することもできます(例:抽出した会社のIPOの年月を表示する)。

ソート

ソートでは以下の条件にて選別します。

地域:日本
時価総額(例:1,000億円以下)
セクター例:テクノロジー)
過去◯年の年平均売上成長率(例10%以上)
営業利益率(例0%以上)

実はこれだけで、数百社程度まで銘柄が絞られます。

表示

次にソートはしないけど選別するのに必要な指標を入れます。

僕は以下の指標を見たりします。 

過去5年のFCFの推移

成長企業は投資をするのでマイナスな年があるのは気にしません。

ただFCF赤字の年が多い企業である場合は、期待する成長率も高くなるので、20-30%の成長率がなければ間違いなく投資しません。

また毎年強力なキャッシュフローを毎年出している会社は、買う決断をする際の強力な後押しとなります。


基本的なバリエーション(PER、PBR、EV/EBITDA)

バリエーションはグロース株を買う際はそこまで注意しません。たまに異常な数値の会社がある場合は何か理由があるか見ます(資産売却益や構造改革費用が入っていないかどうか)。

・配当利回り、配当性向、過去5年の配当推移、ネットキャッシュ(対時価総額)

たまにグロースがあるのに、利回りやキャッシュの点から的にバリューの魅力もある、そんな銘柄があります。

一つのテーマやスクリーニングで1社見つかるか見つからないかくらいですがそういうのを探す際に見る項目です。

・IPO年月 

IPO直後は期待値が高いので、少し慎重になります。逆にとても古い会社だと少し革新性を疑います。


簡単ですが、以上になります。

表示した内容から、FCFが出ていない会社や低マージンな会社を外します。
また売上成長率はM&Aでかさ上げされていないかチェックします。

そうすると50社くらい、多くても100社くらいになります。

この後がいわゆるリサーチ、企業調査になるわけですが、今回のやったのは非常にシンプルで直感的なやり方でした。

四季報オンラインの会社概要を読む(ここで50%くらいは落とします)
悪くないと思った会社の直近四半期の説明会資料、一番最近の通期説明会資料を読む

その際はそもそも伸びる市場か、業界ポジションはどうか、強みがあるか、を考えます。

また異常なバリエーションやキャッシュポジションにある会社はBSも見ます。そういう企業は、たいていスクリーニングにおいてブルームバーグがデッドと認識してないけど、それに近い性質の負債が見つかります(例:前受金)。

これでだいたい良さそうか、そうではないか、自分の中で決めます(というか決まります)。

割と直感的ですが、スクリーニングで数字的な担保は取れてる点は安心材料です。

以上のプロセスで以下の銘柄を買って、こないだ売却したわけです。

注意点として、このスクリーニングはこれまで伸びてきた企業を買ってるだけで、それが将来も続くと限らないことです。

仮に成長が鈍化する場合は高値掴みです。

また、これからまさに伸びようとするダイヤモンドの原石を発掘することもできません。
 
一方、スクリーニングのメリットの一つは新しい企業を知れることです。そこから関連企業を分析していくことで勉強にもなります。

最後に、中小型株なのでボラティリティが高く、株価は上がったり下がったりしますが、その際に精神衛生上健全でいるには、その会社を信じれるかどうかだと思います。

なので、スクリーニングをツールとして活用しつつ、投資の決定には自分で考えて、銘柄に対する自分の信頼を高めるのが重要なのは言うまでもありません。

*重要な事項
当サイトはあくまで個人の見解で情報提供を意図しており、サイトの閲覧者に銘柄への投資を推奨しているものではありません。また、掲載情報が誤っているかまたは古い可能性もあります。当サイトの情報を利用することで発生したいかなる事故・損害に対しても当サイトは一切その責任を負いません。
投資は元本が減少するリスクがあります。上記の株への投資を含む、投資の決定はくれぐれも自己責任でお願いします。