この記事のポイント
①現状のコインチェックの収益源はビットコイン取引(スワップ)やアルトコインの売却の際のスプレッ
②4-6月期のクリプト事業は赤字。但し稼ぎ頭のアルトコインは売却のみしかしておらず、本来の業績とはほど遠い。むしろどうして9億円の収益が計上できたのか、知りたい
③今の元気のないアルトコイン市場の時価総額でもスプレッドが高いので、全面再開すれば黒字化は10-12月期等、早期で達成できそうな印象。
④但し長期的にアルトコイン市場が縮小する場合は注意
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今のコインチェック(マネックスのクリプト事業)の状況はどうなっているか?
4-6月期のコインチェックの営業収益(金融費用や売上原価を引いた後の収益)は9億円、販管費のコストが12億円、差し引き営業損益がマイナス3億円でした。
ちなみに2月・3月の営業収益は20億円、販管費は15億円、営業損益は5億円の黒字でした。
コインチェックの収益源は何か
コインチェックの4-6月期の収益9億円を考える上で、彼らが現在何の事業を行っているか・何を行っていないか、見てみたいと思います。
大きく分けると8/18現在で、コインチェックでできるのは下記2点のようです。
- ビットコイン(BTC)の販売所及び取引所での売買
- イーサリアムやリップルを含めたその他のコインの売却や出金
①に関しては、今日時点では取引手数料は0%(https://coincheck.com/ja/exchange/fee)なので、信用取引やスワップ手数料が収益源となりそうです(いずれも1日当たり0.04%~0.05%程度。スワップ手数料は約定の際に徴収)。
②に関しては、本来的には購入も受け付けることで、スプレッド分の利幅を確保するものだと思われますが、現状は売却だけ受け付けております。コインチェック自身が引き取るわけなので、それをどう処理しているのか気になります。
ちなみに8/18時点午前11時半頃のイーサリアムのレートをコインチェック(売却のみ可能)とその他企業の販売所で比較してみました。コインチェックは32980円での売却である一方、その他販売所では平均34581円と5%弱の開きがあります。
コインチェックがお客さんからコインを買い取って、それを瞬時に他の販売所で売れば、利益が出ることになります(それをしているかは確認できていませんが)。
コインチェックより:https://coincheck.com/
coinchoiceより:https://coinchoice.net/eth_rate/
足元のコインチェックにおける売買高
JP bitcoinさんの情報を基にコインチェックにおけるビットコインの売買高がわかります。
https://jpbitcoin.com/market/volume
コインチェックにおけるビットコインの販売取引は2月は月4000億円強ありましたが、5月以降は600億円程度です。仮に7月の月652億円という水準を3ヶ月維持した場合は、7-9月の3ヶ月間で、約2000億円の取引高となります。
取引に関わる手数料は0%です。非常に荒い推定ですが、仮に2000億円全ての売買で0.05%抜いていたとしても(スワップ手数料等で)、収益は1億円です。
アルトコイン売却に関連する収益が貢献している可能性
上記を踏まえると4-6月期の収益9億円という数字は高いように感じます。でも実際に9億円の収益をあげているので、自分が何かを見落としているわけです。
もしかしたら4-6月期の収益にはアルトコインの売却に関わる収益が貢献していたのかもしれません。
例えば上記のイーサリアムの図表でbifFlyerは0.6%程度のスプレッドを取っています。これはビットコインの取引より遥かに美味しいです。
Coin marketcapによればhttps://coinmarketcap.com/ja/、イーサリアムやリップルの時価総額はビットコインのおおよそ30%/10%程度です。
規模自体はビットコインの3割、1割ですが、大きなスプレッドという収益期待も含めて考慮すると、利益寄与はビットコインより大きい可能性があります。
後は実は販売所でビットコインを買ってる人もそれなりにいる、ということもありえるかもしれません。
コインチェックの業績はアルトコインしだい。登録再開後の急回復も期待できる
色々見ていくと、コインチェックの業績はアルトコインしだい、という印象を持ちました。現状はアルトコインの購入を受け付けていないですが、全面再開してビットコイン取引からアルトコインへ誘導する事業モデルを再開すれば業績寄与のタイミングも遠くなさそうです。
懸念としては再開までにアルトコイン市場が終息してしまうことです。
現在、イーサリアムの価格も年初安付近です。但し、11月・12月と比べるとピークアウト感はありますが、15年・16年という流れで見ると規模は拡大しています。
Coin marketcapより
一定のボラティリティを提供する投機市場としての存在は残ることは十分ありえると思います。
今の足元のアルトコイン市場でもそれなりの規模があります。かつ売却しか受け付けていない中でもそれなりの収益を上げていることを踏まえれば、コインチェックが全面再開される場合は、現状のコスト(四半期12億円)程度は早期に賄えると予想します。
なので、仮に8月に全面再開を果たす場合は、10-12月期から業績寄与というシナリオも十分ありえるな、というのがうみがめのここまで見てきた感想です。
参考:コインチェックのアルトコインの出金・売却再開の流れ
3月22日:LSK、FCT 出金、売却再開
4月6日:RPE、DASH、ZEC出金、売却再開
5月7日:XMR 出金、売却再開
5月18日:XMR、REP、DASH、ZEC 取り扱い廃止の発表
6月7日:XEM出金、売却再開 (全通貨の出金・売却再開)
コインチェックは6月7日のXEMの出金・売却をもって、全通貨の出金・売却を完了しています。
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