2018/08/13

投資のヒント:企業の決算を評価する4つの観点

決算の数字が発表された際に、それがポジティブかネガティブか判断に困るときはないでしょうか。以下に、うみがめは決算の時にどういう視点から評価するのか書きたいと思います。



短信は2Q累計や3Q累計など、累計の数字が表に出てきます。一方で市場が参考にするのは、

実績(終わった四半期の三ヶ月間) 


 +

計画 (本決算なら期初計画、それ以外の決算なら会社計画に変更あるか)


です。実績や計画の評価はいくつかの視点から行われます。うみがめは、主に以下の4点の観点から考えます。



  • 1)コンセンサス対比:(quickコンセンサス、IFISコンセンサス、ブルームバーグコンセンサス等の市場のアナリストの業績予想の平均値が用いられることが多いです)。市場の期待値というやつでして、今の株価はそのときの市場期待値が織り込まれていると考えられるので、業績がコンセンサスを上回ると通常ポジティブに捉えられます。通常、としたのは誰かが集計しているコンセンサスの修正は実際の市場の期待値の変動より遅れるもので、実際の投資家の期待値はコンセンサスより少しずれていることもあります。このケースでは、業績が例えコンセンサスを上回っても必ずしも株価は上がりません


  • 会社計画比:会社が公表している計画に対する進捗率です。事業の見通しに対して多くの情報を持っているのは会社自身です。その会社が策定した計画に上振れ/下振れしているというのは重要な指標です。

    また、正式には公表していないけど社内計画に対して上ぶれ、下振れの進捗かも注目します(機関投資家は決算後説明会、決算後取材等で確認します)。会社計画は会社毎に哲学といいますか、策定する際のカラーがあります。毎回会社計画を上方修正する様に、保守的に策定する会社もあれば、挑戦的な目標を設定し下振れする様な会社もあります。上方修正が多い会社としては日本電産が有名ですね。この様な会社毎のくせを把握すると勝率も上がります。

  • 3)前年比 (year over year, yoyと言います):通常業績が伸びている会社は四半期単位でも前年比で業績が成長します。アナリストレポートやニュースで言われる増益/減益は前年比を指すことが多いです。また前年比ですと季節性の影響を除いて考えることができます。例えばNEC等、国内のインフラ系の事業に従事してる企業は予算の執行が集中する1-3月期に業績が偏ります。この際10-12月期と1-3月期を比較するのは適切ではないですよね。前年・そのまた前年と比べることで、足元の業績が良くなっているかどうかわかります。


  • 4)前四半期比 (quarter over quarter, qoqと言います):業績モメンタムが重要な企業はqoqが重視されます。値上げや数量の急拡大が起こってる会社はqoqでの売上拡大が注目されます。直近でいうとアマゾンは四半期利益よりもqoqでの売上拡大幅が注目されてました。またシクリカル企業、例えばSUMCOのような会社は過去の四半期はほぼ考慮されず、次四半期以降の業績がどうなるか、のみが注目されます。

以上がうみがめが決算において業績を見る確度になります。皆さんも、保有銘柄の決算の際には意識してみてください。

ちなみにこれらの尺度に対し自分なりの考え(例:コンセンサスはこれくらいだけど、自分はこう思う)も持つようになると投資の面白さも増すと思いますので是非やってみてください。