- 1Q業績や前年の特殊要因を考慮すると今期増益のハードルは高い印象
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マネックスの四半期ベースでの業績を並べてみました。
ちなみに決算短信に出てくる数字は2Q累計や3Q累計と、累計の数字ですが、重要なのは新たに発表される四半期の3ヶ月の実績になります。
図表にするだけで色々情報が増えますね。
7-9月期の業績は前年比で減益になる可能性があります。これは単純に前年に特殊要因の利益が計上していたからです。下記の17年7−9期にはマネーフォワードの上場により投資収益を約7億円計上しています。
図表:マネックス:税前利益の推移(四半期ベース)
クリプトに加え、前年のような売却益をどれほど積み上げられるかが勝負
前年は他にも、証券システムライセンス供与やベンチャー投資売却益等の特殊要因が、主要なものを合計しただけでも35億円程度ありました。それを考慮して1Q(4-6月期)のスタートを見ると、今期は減益を覚悟した方が良さそうです。
もちろん今年も何かしらの利益が計上される可能性はあります。ただその様な利益は読みにくいので、心づもりとしては 「基本的には減益、もしまた何か利益計上できれば前年比トントンが狙えるかもしれない」というスタンスで投資戦略を考えるのがベターと思います。
ここまで書いといてなんですが、機関投資家は上記のこと(増益のハードルは高い)はおそらくはわかっています。あえて比べるなら前年比より前四半期比の変化を重視すると思います。
ネット証券の業績は株式市場の変動に左右されるシクリカルな業績です。うみがめは、 終わった四半期の業績をベースに考え、その×4を基本的な業績の目線と考えたいと思います。また、今のような不透明な相場環境が続く場合はそれすらも望めない、と考えるべきだと
マネックスでいうと1Qの税前利益が11億円なので、これに×4で44億円です。これはクリプト事業が1Qと同様に(1Qは2億円の営業損失)業績に貢献しない想定です。ここから+αをどれくらい積み上げられるかが勝負です。
ブルームバーグコンセンサスを見ると今期税前利益は90億円強で入っています。僕から見ると強すぎる予想に見えますが、どうでしょうか。
アップサイド・ダウンサイド
1Q業績×4(44億円)という業績水準からのアップサイドは1)クリプト事業が業績貢献する、2)日本の株式市場が元気になる、3)投資事業が収益をあげる、の3点になります。
逆にダウンサイドは2)の裏返し、もしくは彼らの収益源である日本市場における収益低下(競争激化等)です。
下が日本地域の利益推移ですが、全社利益の推移と似ており、日本地域の利益貢献度が大きい点を示しています。
過去はシステム構築費等が変動要因でしたがそれも落ち着き、現状の利益水準(Qで10億円程度)から大きな上振れ(特にこの市場環境では)も下振れもない印象です。
なので今後の業績はクリプトや投資事業の収益をどう考えるかによると思います。実際の収益がどうなるかと同様に、それがどれくらい期待されているか(織り込まれているか)、も重要な要素です。そこでバリュエーションがでてきます。
図表:マネックス:日本地域の税前利益の推移(四半期ベース)
とりあえず、まずは早く登録許可を発表して欲しいですね。
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