2018/02/12

投資テーマ:量子コンピューター①:簡単な定義・方法・用途。第一印象、投資テーマとしては業績インパクトは小さそう


次にくる投資テーマとして量子コンピューターを学習中。




てはじめに上記の本を読んでみたが、門外漢が読んでもわかる様に平易な文章で書いてある。ただし分野自体が難しいので、表層的な理解しかできていないが・・・特に「量子アニーリング方式」の具体的な計算方法は目から鱗で、新鮮で面白い。

投資的な観点からは

①日本企業はハードのサプライヤーで参画するケースが現実的そう(例:JSR)、

②でも量子コンピューター自体はしばらくあまり台数はでなそうだし、仮に量産化が進展しても、使用分野が限定的なので、サプライヤーへの業績寄与も小幅そう、

というのが第一印象。

NECとか国内勢が量産化へ進む場合には関連サプライヤーは注目されるかもしれないけど、デファクトにならないと恩恵は小さいと思う。果たしてGoogleやIBMに勝てるのか。

半導体分野がそうであるように、デバイスメーカー(エルピーダ)を買うのではなくサプライヤー(東京エレクトロン、JSR)を買う方が良い、という分野になりそうなのが第一印象。

とても簡単なまとめは以下の通り(*本書にはもっと価値のある濃い内容が書いてあります)。


  • 定義・・・量子コンピューターは、ハード及びソフトにおいて量子力学的な現象(「0」と「1」の両方を重ね合わせた状態をとる「量子ビット」)を使って計算する装置




  • 手法・・・主に「量子ゲート方式」と「量子アニーリング方式」がある。量子アニーリング方式の方が量産化に近く、本書ではこちらをメインに解説。




  • 用途・・・(量子アニーリング方式は)、現時点では従来型コンピューターのように汎用的に使えるわけではないのだが、人工知能をはじめ物流や金融など広い範囲に応用できる


以下本文の抜粋だ。

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「量子コンピューターは、量子力学的な現象を計算に利用するコンピューターである。従来型のコンピューターも、ハードにおいては量子力学を利用して設計した半導体を使っている。ところが量子コンピューターは、ハードのみならずソフトにおいても量子力学を使っているのである。」



(「量子コンピュータが人工知能を加速する」より。以下斜体は同。)

「量子コンピューターは、量子力学の特徴を生かし、「0」と「1」の両方を重ね合わせた状態をとる「量子ビット」を使って計算する装置だ。「0」と 「1」を重ね合わせた状態とは、「0であり、かつ1である」状態ということだ」


ということで、量子コンピューターは、ハード及びソフトにおいて量子力学的な現象を計算に利用するコンピューターで、具体的には「0」と「1」の両方を重ね合わせた状態をとる「量子ビット」を使って計算する装置、ということみたいだ・・・(これだけでは理解が難しいと思うが、上記の本では丁寧に説明されているので是非読んで見て欲しい)

また、主に「量子ゲート方式」と「量子アニーリング方式」2つの方式があり、「量子ゲート方式」の商用化がここ数年で大きく進んだとある。


量子アニーリング方式の詳細の説明はなかなか難しく非直感的で、ところどころの文を抜粋してもむしろ混乱すると思ったので(自分も抜粋できるほど理解できていない)、そこの部分は是非実際に読んで欲しい。ただ非常にわかりやすい例えが文中にあるのでそれだけ紹介したい。

「(量子アニーリングを)あえてたとえると、複雑な地形の土地でもっとも低い場所を探すときに、降った雨が自然と低い盆地に集まることで答えがわかるようなものだ。」

というイメージのようだ。また用途としては以下のようなものが想定されているみたいだ。

「量子アニーリング方式のマシンは、現時点では従来型コンピューターのように汎用的に使えるわけではないのだが、人工知能をはじめ物流や金融など広い範囲に応用できるものだ。」


ポートフォリオマネージャーには、銘柄というよりは、自分の職業を代替する可能性のある技術(もう既にたくさんあるが)、という点で要注目かもしれない。